東京の北方守護 王子神社【東京十社めぐり】

昨今全国各地さまざまな「御朱印巡り」が実施されています。東京で著名なものとして「東京十社めぐり」があります。今回はその中の一つである王子神社についてまとめました。(画像は2021年4月撮影。)

王子神社の由来と歴史

1322年に豊島郡を支配していた豊島氏が熊野の方向を望む石神井川の高台に紀州熊野三社権現から王子大神を勧進して「若一王子宮」として祀るようになりました。これが「王子」の地名の由来とされています。江戸時代には徳川家康から社領として200石の寄進を受け、将軍家の祈願所として定められました。三代将軍家光による社殿の造営や「若一王子縁起」絵巻三巻の奉納が行われています。

徳川将軍家との繋がりで著名なのは八代将軍吉宗との関わりです。紀州徳川家出身の吉宗は紀州ゆかりの王子神社を度々訪れ飛鳥山に桜を植樹して寄進しました。これが飛鳥山がお花見の名所になった由来とされています。

明治時代に入ると准勅祭社となり東京十社の一つに選ばれました。戦前の境内は多くの樹木が茂っていましたが戦災にて消失してしまいました。戦災を逃れた大イチョウが東京都指定天然記念物に指定されており、当時の面影を伝えています。詳細は王子神社公式ページにてご確認下さい。

アクセス

最寄駅はJR京浜東北線・東京メトロ南北線「王子駅」、都電荒川線「王子駅前」電停です。今回はJR王子駅から徒歩で向かうコースをご紹介します。徒歩10分程度で神社まで到着します。
JR王子駅親水公園口から音無親水公園内を歩いていくと右側に石柱がある階段があります。ここから王子神社の境内に直接上がれます。神社正面へは先にある音無橋の横にある階段を上がってください。

境内の様子

高さ約8.6メートルの石造鳥居。都内有数のものです。2017年に奉納された本社神輿と同年に竣工した御輿蔵。ガラス張りになっています。
戦災で消失した後に再建された社殿。

末社「関神社」

境内にある末社の「関神社」は全国でも珍しい「髪の祖神」です。御祭神は百人一首で有名な蝉丸です。蝉丸は姉の為に侍女に命じて「かつら・かもじ」を考案したとされており、ゆかりの地である滋賀県大津の逢坂山にある「関蝉丸神社」に祀られています。
江戸時代に「かもじ業者」を中心に王子神社境内に奉斎したのが「関神社」の由来とされています。
戦災にて消失するも全国の「かつら・かもじ・床山・舞踏・演劇・芸能・美容師」業界の尽力により戦後再建されて現在に至ります。

御朱印について

本殿向かって右側の社務所にて対応して頂けます。東京十社めぐり専用御朱印帳やヤタガラスがデザインされた王子神社オリジナル御朱印帳も取り扱っています。

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